この記事では、読書感想文の書き方に悩む中学生向けに、テーマの決め方、書き出し、構成、あらすじのまとめ方までわかりやすく紹介します。
「読書感想文、何を書けばいいのかわからない」
中学生になると、小学生のころよりも文章量が増えたり、ただ「あらすじを書くだけ」では物足りなく感じたりして、読書感想文に苦手意識を持つ子も多いのではないでしょうか。
本は読んだのに、いざ原稿用紙を前にすると手が止まってしまう。
「すごいと思いました」「おもしろかったです」だけで終わってしまう。
そんな悩みは、決して珍しいことではありません。
こんにちは。「楽しく学ぶ家庭学習」を運営しているcocoです🌸
わが家でも、読書や家庭学習を大切にしてきましたが、読書感想文は「本を読む力」だけでなく、「自分の考えを言葉にする力」が必要だと感じています。
この記事では、中学生が読書感想文で迷わないために、テーマの見つけ方、書き方のコツ、構成、親の声かけまで、家庭で取り組みやすい形でまとめます。
読書感想文が苦手な子でも、順番に考えていけば大丈夫です。まずは「上手に書こう」とするよりも、「自分はこの本を読んで何を考えたのか」を見つけるところから始めてみましょう。
読書感想文で中学生がつまずきやすい理由
中学生の読書感想文で一番多い悩みは、「何を書けばいいのかわからない」ということです。
小学生のころは、登場人物の気持ちや好きな場面を中心に書くだけでも形になりやすいですが、中学生になると、少し深い考えや自分の意見を求められることが増えます。
そのため、次のようなことで手が止まりやすくなります。
- あらすじばかりになってしまう
- 感想が「おもしろかった」で終わってしまう
- 自分の経験と結びつけられない
- 書き出しが思いつかない
- 最後のまとめ方がわからない
でも、これは文章力がないからではありません。
多くの場合、「考える順番」がわからないだけです。
読書感想文は、いきなり原稿用紙に書こうとすると難しくなります。先に、心に残った場面、自分と似ているところ、考えが変わったところをメモしておくと、ぐっと書きやすくなります。
中学生の読書感想文は「テーマ」を決めると書きやすい
読書感想文というと、本全体の感想を書かなければいけないと思いがちです。
けれど、中学生の読書感想文では、本全体をまんべんなく説明するよりも、ひとつのテーマにしぼって書くほうが読みやすくなります。
たとえば、同じ本を読んでも、テーマは人によって変わります。
- 友情について考えた
- 家族の大切さを感じた
- 努力する意味を考えた
- 命の重さについて考えた
- 自分の弱さと向き合うことについて考えた
- 将来の夢について考えた
- 人と比べない生き方について考えた
このように、「この本を読んで、自分は何について一番考えたのか」を決めると、読書感想文の軸ができます。
テーマが決まると、書く内容がぶれにくくなります。
逆にテーマを決めずに書き始めると、あらすじ、感想、登場人物の説明がバラバラになり、何を伝えたい文章なのかわかりにくくなってしまいます。
読書感想文のテーマを見つける質問
テーマが見つからないときは、子どもに「感想は?」と聞くより、具体的な質問をしてあげると考えやすくなります。
たとえば、次のような質問です。
- 一番心に残った場面はどこ?
- 登場人物の中で、自分に似ていると思った人はいる?
- 主人公の行動で、すごいと思ったところはどこ?
- 自分だったら同じことができると思う?
- 読んだあとに、少し考え方が変わったことはある?
- この本を読む前と読んだ後で、何か感じ方は変わった?
- 家族や友達に伝えたいと思ったことはある?
ここで大切なのは、正解を探そうとしないことです。
読書感想文は、テストのようにひとつの答えがあるものではありません。自分がどう感じたか、なぜそう思ったかを言葉にしていくことが大切です。
親が手伝う場合も、「こう書きなさい」と言うより、「どこが心に残った?」「それはどうして?」と聞いてあげるほうが、子ども自身の言葉が出やすくなります。
中学生の読書感想文におすすめの構成
読書感想文は、構成を決めてから書くと迷いにくくなります。
中学生におすすめなのは、次の4つの流れです。
- 本を選んだ理由
- 心に残った場面や言葉
- 自分の経験や考えとのつながり
- 読んだ後に考えたこと・これからに生かしたいこと
この流れに沿って書くと、あらすじだけで終わらず、自分の考えが入った読書感想文になります。
特に中学生の場合は、「自分の経験や考えとのつながり」を入れると、読む人に考えが伝わりやすくなります。
たとえば、主人公が努力している本を読んだなら、自分が部活や勉強で努力した経験とつなげることができます。
友達との関係に悩む本を読んだなら、自分の学校生活や友達との関わりを振り返ることができます。
このように、本の内容と自分の生活を結びつけることで、「その子にしか書けない読書感想文」になります。
書き出しは「本を選んだ理由」からで大丈夫
読書感想文で最初に悩みやすいのが、書き出しです。
かっこいい文章を書こうとすると、なかなか進まなくなります。
そんなときは、まず「この本を選んだ理由」から書くのがおすすめです。
たとえば、次のような書き出しです。
私がこの本を選んだ理由は、主人公が自分と同じ中学生だったからです。
最初は題名にひかれて、この本を手に取りました。けれど、読み進めるうちに、主人公の考え方に何度も立ち止まって考えさせられました。
私は、友達との関係に悩むことがあります。この本は、そんな自分に少し似ているところがあると思い、読み始めました。
書き出しは、完璧でなくても大丈夫です。
読んだきっかけ、気になった理由、自分との共通点から始めると、自然な文章になります。
あらすじは短く書くのがコツ
読書感想文でよくある失敗が、あらすじばかりになってしまうことです。
もちろん、読んでいない人にも内容が少し伝わるように、あらすじは必要です。
でも、あらすじが長すぎると、感想文ではなく本の紹介文のようになってしまいます。
目安としては、あらすじは全体の2割くらいで十分です。
たとえば、原稿用紙3枚を書くなら、あらすじは半分の原稿用紙くらいまでにおさえると、感想や自分の考えを書くスペースが残ります。
あらすじを書くときは、次の3つだけを意識するとまとめやすくなります。
- 主人公はどんな人か
- どんな出来事が起こるのか
- その出来事を通して何を考えたのか
細かい登場人物や場面を全部説明しようとしなくても大丈夫です。
感想文で大切なのは、「本の内容を全部説明すること」ではなく、「本を読んで自分が何を考えたか」を書くことです。
中学生らしい感想文にするには「なぜ」を入れる
中学生の読書感想文で大切なのは、「すごいと思った」「感動した」で終わらせないことです。
そのあとに、「なぜそう思ったのか」を入れると、文章が一気に深くなります。
たとえば、次のように考えてみます。
| 浅い感想 | 深めた感想 |
| 主人公はすごいと思いました。 | 主人公は、失敗しても逃げずに向き合っていたところがすごいと思いました。私なら途中であきらめてしまうかもしれないからです。 |
| 友達は大切だと思いました。 | この本を読んで、友達とはただ一緒にいる人ではなく、相手のことを考えて行動できる関係なのだと思いました。 |
| 感動しました。 | 最後の場面で感動したのは、主人公が自分の弱さを認めたうえで、もう一度前に進もうとしていたからです。 |
このように、「どこに」「なぜ」心が動いたのかを書くと、読み手にも気持ちが伝わりやすくなります。
親が声をかけるなら、
「どこがすごいと思った?」
「どうしてそう感じた?」
「自分だったらどうすると思う?」
と聞いてあげると、子どもが自分の言葉で考えやすくなります。
自分の経験とつなげると伝わる感想文になる
読書感想文で大切なのは、本の内容と自分の経験をつなげることです。
たとえば、次のようにつなげられます。
- 努力する主人公 → 自分の部活や勉強の経験
- 友達とすれ違う場面 → 学校生活での友達関係
- 家族を思う場面 → 自分の家族への気持ち
- 夢に向かう登場人物 → 自分の将来の目標
- 失敗して立ち上がる場面 → 自分が失敗から学んだこと
読書感想文は、きれいな言葉を並べるよりも、自分の本音が少し入っているほうが読み手に伝わります。
「私も同じような経験があります」
「私は主人公とは違う考えを持ちました」
「この場面を読んで、今までの自分を振り返りました」
このような一文が入るだけで、文章に自分らしさが出ます。
私自身も、読書感想文は「上手な作文を書く宿題」というより、子どもが自分の考えに気づくきっかけになるものだと感じています。
本の中の出来事を通して、自分の生活や気持ちを振り返る。そこに読書感想文の良さがあるのではないでしょうか。
まとめ方は「これからどうしたいか」で締める
読書感想文の最後は、読んだあとに考えたことや、これからに生かしたいことを書くとまとまりやすくなります。
たとえば、次のようなまとめ方です。
この本を読んで、私は失敗することを怖がりすぎていたのかもしれないと思いました。これからは、うまくいかないことがあっても、すぐにあきらめずに、もう一度考えて行動してみたいです。
私は今まで、友達に自分の気持ちを伝えるのが苦手でした。でも、この本を読んで、相手を大切にするためにも、自分の思いを言葉にすることが必要だと感じました。
この本を読む前は、努力は結果を出すためだけのものだと思っていました。けれど、主人公の姿を通して、努力する過程にも意味があるのだと考えるようになりました。
最後に「これからの自分」につなげると、読後の変化が伝わります。
読書感想文では、読む前と読んだ後で、自分の考えがどう変わったのかを書くと、印象に残る文章になります。
読書感想文が苦手な中学生への親の声かけ
読書感想文が苦手な子に、親が最初から文章を直しすぎると、子どもは「自分の文章はだめなんだ」と感じてしまうことがあります。
もちろん、誤字脱字や明らかに伝わりにくい部分を一緒に見直すことは大切です。
でも、最初から完成度を求めすぎるより、まずは子どもの考えを引き出してあげることを意識したいです。
おすすめの声かけは、次のようなものです。
- 「この場面、どう思った?」
- 「主人公の気持ち、少しわかる?」
- 「自分だったらどうする?」
- 「この本を読む前と後で、何か変わった?」
- 「一番伝えたいことは何かな?」
反対に、避けたい声かけもあります。
- 「早く書きなさい」
- 「それじゃ短すぎる」
- 「もっと上手に書けないの?」
- 「こう書けばいいでしょ」
読書感想文は、子どもにとって負担になりやすい宿題です。
だからこそ、親は文章を代わりに作るのではなく、子どもの中にある考えを引き出すサポート役でいることが大切だと思います。
読書感想文を書く前のメモテンプレート
いきなり原稿用紙に書くのが苦手な子は、先にメモを作っておくと書きやすくなります。
次の項目を埋めてから書き始めるのがおすすめです。
| 項目 | メモすること |
| 本の題名 | 読んだ本のタイトル |
| 選んだ理由 | なぜこの本を選んだのか |
| 心に残った場面 | 一番印象に残った場面や言葉 |
| 感じたこと | おもしろい、悲しい、驚いた、考えさせられたなど |
| なぜそう思ったか | その理由 |
| 自分の経験 | 似ている経験や思い出 |
| 考えが変わったこと | 読む前と読んだ後の変化 |
| これからしたいこと | 今後の生活に生かしたいこと |
このメモができていれば、あとは順番に文章にしていくだけです。
特に中学生の場合は、「なぜそう思ったか」「自分の経験」「考えが変わったこと」をしっかり書くと、感想文らしさが出ます。
中学生の読書感想文に向いている本の選び方
読書感想文は、本選びで書きやすさが大きく変わります。
中学生におすすめなのは、「自分とつなげて考えやすい本」です。
たとえば、次のようなテーマの本は感想を書きやすいです。
- 友情や人間関係がテーマの本
- 家族との関わりが描かれている本
- 部活や努力が出てくる本
- 命や生き方について考えられる本
- 将来や夢について考えられる本
- 戦争や平和について考えられる本
- 社会問題にふれられる本
反対に、内容が難しすぎる本や、興味が持てない本を無理に選ぶと、読むこと自体が苦しくなってしまいます。
「有名な本だから」「先生にすすめられたから」だけで選ぶよりも、子ども自身が少しでも気になる本を選ぶことが大切です。
読書感想文は、立派な本を選ぶことよりも、読んだあとに自分の考えを書ける本を選ぶことが大切です。
読書感想文を仕上げる前に見直したいポイント
書き終わったら、最後に見直しをします。
見直すときは、次のポイントを確認してみてください。
- あらすじばかりになっていないか
- 心に残った場面が書かれているか
- なぜそう思ったのかが入っているか
- 自分の経験や考えとつながっているか
- 最後に読んだ後の変化が書かれているか
- 誤字脱字がないか
- 同じ言葉を何度も使いすぎていないか
特に、「おもしろかった」「すごいと思った」「感動した」だけで終わっている部分があれば、その後ろに理由を足してみましょう。
たとえば、
感動しました。
だけではなく、
感動しました。なぜなら、主人公が自分の弱さを隠さずに受け止め、もう一度前に進もうとしていたからです。
と書くと、気持ちが伝わりやすくなります。
まとめ|読書感想文は「自分の考え」を書けば大丈夫
中学生の読書感想文は、あらすじを上手にまとめることだけが大切なのではありません。
本を読んで、どの場面が心に残ったのか。
なぜそう感じたのか。
自分の経験や考えと、どのようにつながったのか。
この3つを意識するだけで、読書感想文はぐっと書きやすくなります。
読書感想文が苦手な子は、最初から完璧な文章を書こうとしなくて大丈夫です。
まずは、心に残った場面をひとつ選ぶ。
次に、なぜ心に残ったのかを考える。
そして、自分の生活や経験とつなげてみる。
この順番で考えれば、少しずつ自分らしい読書感想文になります。
親ができることは、答えを教えることではなく、子どもの中にある考えを引き出してあげることです。
読書感想文をきっかけに、子どもが本の世界と自分の気持ちをつなげられたら、それだけでも大きな学びになると思います。
子どもの読書活動については、文部科学省でも関連情報が紹介されています。
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